労働環境 2009 11 3 追加あり

 先進国の労働者は、厳しい状況にあると思います。
正確に書けば、先進国の「単純労働者」は、つらいということです。
 グローバル化、つまり経済に国境がなくなった現在、
先進国の「単純労働者」は、
新興国の「単純労働者」と競争をしなければならなくなったからです。
 先進国の単純労働者の賃金は、
新興国の単純労働者の賃金に近づいていくという力学が働きます。
こうして、先進国ではインフレが抑制されるでしょう。
 次に、先進国では、いや新興国も含めて、
これは死語になりつつありますが、ホワイトカラーの減少が続くでしょう。
ホワイトカラー(文科系事務職)が必要とされなくなっていくのです。
 昔の会社には、庶務係という大きな部門がありました。
電卓で給料や手当てを計算し、現金を給料袋に詰め込む。
時刻表を使って旅費の計算をする。
備品や消耗品を管理または購入する。
 こうした仕事は、コンピューターが行うことになったのです。
さらに、会社の管理部門もコンピューターが代行するようになったのです。
 近年、景気には関係なく、コンピューターの導入によって、
劇的なリストラが起きたと言えるでしょう。
 現在、文科系に残された仕事といえば、営業でしょうか。
その営業も、コンピューターが代行するかもしれません。
インターネットで商品を選び、見積りを出し、注文する。
つまり、コンピューターが文科系の仕事を奪いつつあると言えるかもしれません。
 もちろん、コンピューターができない仕事があります。
それは、サービス業です。
 雇用のミスマッチは、コンピューターが引き起こしているかもしれません。
コンピューターの導入は、止められないでしょうから、
労働環境の大きな変化に気づき、早めに対応していくしかないでしょう。
 たとえば、中学生、高校生は、なるべく理科系やサービス業を目指すべきです。
現在、文科系の頂点といわれた弁護士や公認会計士ですら、就職難です。
 会計の仕事も、コンピューターが代行できる部分が増えてきました。
法律分野においても、インターネットのデータベースが充実してきました。
 では、文科系には、もう他に仕事はないか。
いや、あります。
それは、知識資本主義という「新しい資本主義」に対応できるかにかかっています。
アイデアが、あなたの道を開き、未来を作る。
 書名 知識資本主義(ビジネス、就労、学習の意味が根本から変わる)
 著者 アラン・バートン=ジョーンズ
 出版社 日本経済新聞社(2001年4月2日出版)
 KNOWLEDGE CAPITALISM by Alan Burton-Jones
 「知識資本主義」という本は、
ダイヤモンド社から、レスター・C・サロー氏の本が出版されていますが、
私は、アラン・バートン=ジョーンズ氏の本の方が、強い印象が残りました。
 この本の紹介文が、その内容を的確に表現していますので、引用します。
「貨幣や土地、労働に代わる最も重要な資本として、『知識』が急浮上している。」
「本書は、労働の供給よりも、知識の供給が重視されるようになることや、
社内外の知識を最大限に生かし統合させるうえで、
企業の所有や経営が変わらざるを得ないこと、
知識を手段とする個人にとって『学習』の意味が変わること、
新しい資本家の登場について説く。」
 今までの「古い資本主義」は、
貨幣や土地、労働が、資本となってきました。
 しかし、これからの資本主義は、
つまり、「新しい資本主義」は、知識が資本となるでしょう。
 これは、後に、産業革命ではなく、
「価値革命」と呼ばれることになるでしょう。
資本主義の持つ価値に、革命が起きるでしょう。


















































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